日本にカジノはできない?横浜市長選で遠のいたIR計画とは

政府が年末に閣議決定していたIR計画とは

政府が昨年末に閣議決定したIR整備に向けた基本方針では、今年1~7月に予定していた自治体からの申請期間を9か月延期することが示されていました。

さらに、開業時期も当初目指していた「2020年代半ば」から「20年代後半」に修正されていました。

これはコロナ禍による自治体の作業の遅れに配慮したものでしたが、感染状況によっては、さらに遅れる可能性もあり、日本のランドカジノ実現にはかなりの期間を要する予定でした。IR誘致を表明していたのは下記の4地域で、政府は全国に最大3か所のIRを整備する方針でした。

  • 横浜市
  • 大阪府
  • 長崎県
  • 和歌山県

2019年8月横浜港・山下ふ頭へのIR誘致方針を表明していました。

地元経済界も歓迎し、国内外の7事業者から提案が寄せられていたそうです。しかしコロナ禍による経営不振から米国の有力2社が撤退を決定し、ギャンブル依存症や治安の悪化を懸念する市民の間では反対運動が起きていました。

それらに関しては下記リンクで解説していますのでご覧ください。

カジノ法案とは?概要は?

総合型リゾート(IR)とは?

総合型リゾートは言ってしまえば複合観光集客施設のことです。

カジノだけではなく、レストランやホテル、映画館プールなどのアミューズメントも含まれている施設のことになります。

基本的に海外からのお客を取り入れるための施設になるので、そこだけでおもてなしが完結するのが総合型リゾートのいいところなのです。

カジノ法案の概要について

カジノ法案については法律で2016年に新たに設定されています。

(目的)第一条 この法律は、特定複合観光施設区域の整備の推進が、観光及び地域経済の振興に寄与するとともに、財政の改善に資するものであることに鑑み、特定複合観光施設区域の整備の推進に関する基本理念及び基本方針その他の基本となる事項を定めるとともに、特定複合観光施設区域整備推進本部を設置することにより、これを総合的かつ集中的に行うことを目的とする。

(基本理念) 第三条 特定複合観光施設区域の整備の推進は、地域の創意工夫及び民間の活力を生かした国際競争力の高い魅力ある滞在型観光を実現し、地域経済の振興に寄与するとともに、適切な国の監視及び管理の下で運営される健全なカジノ施設の収益が社会に還元されることを基本として行われるものとする。

(※特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律 | e-Gov法令検索一部引用)

このように定められています。

上記を簡潔にまとめると、このカジノ法案は総合型リゾート【IR】を作ることで日本を活気づかせるという目的のもと作られました。

また、カジノ法案なだけあってしっかりと日本人に対して週三回までの入場などの制限も課されていました。

横浜市長選ではランドカジノを含む計画が争点になっていた

神奈川県内に緊急事態宣言が出される中での選挙戦では、ランドカジノを含むIR施設の横浜市への誘致計画や感染の急拡大が進む新型コロナウイルス対策などを争点に論戦が交わされました。

IR計画に関しては推進を訴える候補が2人、反対派が6人で、かなりランドカジノを日本に置くにはかなり不利な状況下での選挙でした。

そして横浜市長選挙の結果は以下のようになりました。

▽山中竹春 無所属 新 当選
50万6392票
▽小此木八郎 無所属 新
32万5947票
▽林文子 無所属 現
19万6926票
▽田中康夫 無所属 新
19万4713票
▽松沢成文 無所属 新
16万2206票
▽福田峰之 無所属 新
6万2455票
▽太田正孝 無所属 新
3万9802票
▽坪倉良和 無所属 新
1万9113票

立憲民主党が推薦し、元横浜市立大学教授の山中氏が小此木氏におよそ18万票の大差をつけて初めての当選を果たしました。

山中氏は横浜市立大学の医学部の教授として新型コロナウイルスのワクチンの有効性などに関する研究を行っています。

また山中氏は「IR誘致は行わない宣言を市として早期に出す」と述べていて、来年4月までの国への申請に向けて進めてきたIR誘致の手続きは中止される見通しなのです。

山中氏はIR計画=ランドカジノには反対意見

今回の選挙では反対の意見を示した山中氏でしたが、当選後はこのように語っています。

感謝の気持ちでいっぱいだ。市民一人ひとりと向き合いながらすばらしい横浜市を作っていく。

ワクチン接種の加速化、感染源のいち早い特定、そして感染した人への治療機会の確保、この3つの効果的な対策を行っていきたい。

カジノを含むIRの誘致に関しては行わないという宣言を横浜市として早期に出す。

この発言からもわかる通り横浜に計画予定だったランドカジノの雲行きはかなり怪しくなってしまいました。

まとめ

今後日本にカジノができるのはそう遠くはありません。

IR法も横浜では実現が難しくなったものの、他地域では実現に向けて様々な取り組みがなされています。

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※日本国内からオンライカジノへの賭博行為は違法なので気をつけてくださいね。

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