海外旅行でしか楽しめない娯楽「カジノ」
カジノを目的に海外へ行く人もいますよね。
カジノへ行く人は少なからず、大金を獲得することを夢みてるのではないでしょうか?
大金を獲得することは稀ではありますが、全くないものでもありません。
そこで今回はカジノで賞金を獲得した際の税金について解説していきます。
- カジノで賞金を獲得したら税金の支払いは必要なのか
- 日本とカジノ所有国どちらに税金を支払うのか
- 各国のカジノによる徴税の違い
カジノで儲けたお金は納税が必要
カジノで大金を獲得した…!と夢のようなことが起こるかもしれませんが、夢のあとは現実が待っています。
カジノで獲得した賞金には税金がかかります。
日本は「全世界課税方式」を採用している
日本は「全世界課税方式」というものを採用しています。
全世界課税方式とはその国の居住者は、世界のどこで所得を得ても課税しますよ。
とざっくり言えばこんなところです。
日本に置き換えると、日本に居住している人は全世界どこで所得を得てもその所得に対して税金かかるよということです。
カジノで得た賞金は一時所得となる
カジノで獲得した賞金は分類上一時所得という名前が付きます。
一時所得とは、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の所得で、労務や役務の対価としての性質や資産の譲渡による対価としての性質を有しない一時の所得をいいます。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1490.htm
一時所得には、次のようなものがあります。
(1)懸賞や福引きの賞金品(業務に関して受けるものを除きます。)
(2)競馬や競輪の払戻金(営利を目的とする継続的行為から生じたものを除きます。)
(3)生命保険の一時金(業務に関して受けるものを除きます。)や損害保険の満期返戻金等
(4)法人から贈与された金品(業務に関して受けるもの、継続的に受けるものを除きます。)
(5)遺失物拾得者や埋蔵物発見者の受ける報労金等
(6)資産の移転等の費用に充てるため受けた交付金のうち、その交付の目的とされた支出に充てられなかったもの
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1490.htm
儲けたお金はどこに納税するのか
では納税先はどこになるのでしょうか?
答えは
- 日本で納税する
- 現地で納税する
両方あります。
日本に納税する
日本では一時所得が年間50万円を超えると、確定申告が必要になります。
50万円以下は特別控除の対象です。
計算式は以下のようになっています。
一時所得の金額(特別控除額を差し引いた金額)×1/2+その他の所得合計=課税所得
年末調整をするサラリーマンは一時所得が20万円以上で確定申告が必要になることを覚えておきましょう。
現地で納税する
現地で賞金を獲得した際に、税金を支払うこともあります。
例えばアメリカのカジノで$1200以上賞金を獲得した場合、30%の税金を納めなければならない等です。
国によってはカジノでの納税をしていないと出国禁止になったりしますので、しっかりと税金は支払いましょう。
各国の詳細は下記各国でのカジノの徴税の違いの章で解説しています。
現地でも税金を取られたのに日本でも支払うの?
カジノで賞金を獲得したら、現地でも支払って、日本でも支払って…税金取られすぎだ!って思いますよね。
その問題に対処するために下記のような措置があります。
二重課税にならない措置がある
海外で課税されたのに日本でもさらに課税しては問題だということで、「外国税額控除方式」という制度があります。
海外で収めた税金の額を、日本で課される税金から控除してもらう制度です。
実際の適応には条件もありますので、わからない場合は税理士さんに相談するのが確実でしょう。
確定申告をしなかった場合
税金を払いたくないし、特別控除金額の50万円を超えてるけど、確定申告しないでおこうかな…
そんなことを考えて確定申告をせず、また、納税していないことが発覚してしまった場合どうなるのでしょうか?
ちなみに課税は以下4種類です。
- 過少申告加算税
- 無申告加算税
- 不納付加算税
- 重加算税
上記のどれに当てはまるかで、課税金額も変動します。
それでは一番課税の大きい重加算税について取り上げます。
故意に隠していたのが発覚した場合は35〜40%の追加徴税がかかる
財務省の加算税の概要によると、課税要件には仮装隠蔽があった場合と記されています。
そして、重加算税の課税割合は35〜40%です。
つまり故意に納税を逃れていた場合、追加徴税として35〜40%もの税金が課せられます。
下記財務省のPDFに詳細図が示されています。
https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/tins/n04_3.pdf
申告をして納税した方がお金は手元に残る
もし、賞金を獲得しても確定申告をしないと、本来の支払う税金よりもさらにたくさん取られてしまうことになります。
追加で35%や40%も税金を取られてはたまりませんよね。
カジノで賞金を獲得したら確定申告を忘れずに行いましょう。
- 追加徴税は35〜40%になることもある
- 賞金を獲得したら確定申告を行う
勝利金を持って帰国する場合
上記では特別控除額の50万円を超えたら税金を納付する必要があること、追加徴税は非常に重いものだと解説をしてきました。
それでは、海外カジノから帰国の際に手元に100万円以上の金額を所持している場合はどうするのでしょうか。
税関の申告書に100万円以上を所持している旨はきちんと報告しよう
日本に帰国する際には携帯品・別送品申告書という名前の書類に記入が必要です。
この書類の記入事項の中に100万円相当額を超える現金、有価証券又は1kgを超える貴金属などを持っていますか?という項目があります。
もし海外のカジノで100万円以上賞金を獲得している場合、これらの申告は正確に行いましょう。
ここで税金が徴収されるわけではない
日本から出国する時、あるいは日本へ帰国する時、100万円以上の現金を持ち込む場合には税関に申告しなければなりませんが、何の為にするのでしょうか?申告すると税金とか取られるのでしょうか?
https://www.tax-support.xyz/Q-and-A/脱税/出入国する際に100万円以上の現金を携帯する場合、税関に申告しなくてはいけないのはなぜ?-831
100万円以上所持しているからといって、税金などが徴収されたり、没収されたりするわけではありません。
この項の目的はマネーロンダリング等を取り締まるためのものです。
いわば不正資金の流出入の監視目的の情報収集なので、カジノで100万円以上を獲得した場合にはきちんと申告をしてくださいね。
カジノから証明書をもらっておこう
100万円以上の金額を税関で申告する際に、本当にマネーロンダリングではないかと疑われることもあるでしょう。
そのため、勝利した際には証明書を貰っておいてくださいね。
各国のカジノの徴税の違い
カジノに関する課税は国によって異なります。
そこで日本人がよく行くであろう、アメリカ・マカオ・韓国の3カ国の課税についてまとめました。
ただし、これらはスロットマシーンなどで賞金を獲得した場合です。
テーブルカジノ(バカラやブラックジャックなど)で賞金を獲得しても税金は徴収されないので、日本で確定申告をしてくださいね。
アメリカ
アメリカでは$1200以上の賞金を獲得すると、30%の税金が課せられます。
ITINナンバーがある場合
ITINナンバーとは個人用納税者番号のことです。
ITINナンバーがない場合
30%の徴税
ITINナンバーを所持していない場合は賞金から30%の税金が取られます。
税金を支払った場合は、日本に帰国後、その年度の確定申告の際に「外国税額控除方式」が適用されるかもしれません。わからない場合は税理士さんに相談することをお勧めします。
1024s書類の作成
カジノによっては課税免税の書類「1024S」の書類を作成してくれます。
また、この書類は日本に送られます。
現地で税金を払っていないので、日本で確定申告を行なってくださいね。
マカオ
マカオは50万円以上の賞金を獲得で税金の支払いが発生します。
所得扱いとなり、所得税と住民税の支払いが必要です。
支払いをしないと空港にて出国を拒否されますので、賞金を50万円以上獲得した場合はきちんと税金を支払ってくださいね。
税金を支払った場合は、日本に帰国後、その年度の確定申告の際に「外国税額控除方式」が適用されるかもしれません。わからない場合は税理士さんに相談することをお勧めします。
韓国
韓国のカジノでは税金の支払いは発生しません。
現地で税金の支払いをしていないので、特別控除額の50万円以上を獲得して日本に帰国したら一時所得の確定申告をしてくださいね。
確定申告を忘れず、しっかり納税しよう
海外のカジノで賞金を獲得した際にかかる税金について解説しました。
カジノで大金を獲得するのは夢のような話ですよね。
ただ、夢のような話でも税金という現実はつきものです。
カジノでの賞金は一時所得になるので、特別控除額の50万円以上を獲得したら確定申告をしてくださいね。
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